がん検診
HOME > がん検診

がん検診

癌検診は必要か

がん検診については、うける意味がないという説と、うけた方が良いとの説があります。当院は婦人科の検診に関してはうけた方が良いとの意見をもっております。
その理由は以下の通りです。

(1) 子宮癌に関しては、癌検診をうける方が増えるのに従い、癌の患者さんが減ってきた事が明らかであること。
(2) 発見された癌の中で早期のものの割合が増えてきており、癌検診の効果 であると考えられること。
(3) 婦人科癌の検診では検診そのものに危険性がないこと。
(4) 費用がそれ程かからないこと(札幌市在住の方ですと、30才以上の方はすこやか検診で検診が出来ます。)
(5) 子宮癌については、これまで考えられなかった程の若い方にも見つかることがあるようになり、進行する迄無症状である可能性があることなどからです。
(6) 20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の女性は無料の子宮頸がん検診クーポン券ができるようになりました。

   

でも癌の検診では気をつけなければいけない事もあります。

(1) 癌検診は信頼出来るのか。 例えば大丈夫だと言われたら絶対大丈夫なのか。あるいは癌の疑いがあると言われたら本当に癌なのかといった事です。
(2) 子宮癌はともかく、卵巣癌は本当に検査に値するかといった問題もあります。

これに対する当院の考えは次の通りです。

 

(1) まず子宮頚癌については癌、異形成上皮(一種の前癌状態みたいなもの・・・但し自然に良くなることもある)というのが要注意ですが、これは1つの検査で行うものではなく、通 常3つの過程を経るので間違いは少ないと考えられます。検査は(a)細胞診(スクリーナーと言ったライセンスをもった検査技師及び細胞指導医による判定)、(b)膣拡大鏡診(実際の診察にあたる臨床医の判定)、(c)組織診(主に顕微鏡下で診断を下す病理医の判定)と3つの過程を経ます。つまりそれぞれの段階で異なる立場の専門科がチェックをする訳ですから正確性は高いと考えられます。
 ただ大切な自分の健康に関する事ですから、全て医師の言葉をうのみにせず少しでも疑問の点があったら説明を求める事です。 またセカンド・オピニオンと言って他の医師の見解を求める事も最近では行われるようになってきております。
 次に子宮体癌の検診ですが、子宮頚癌と同じように(a)細胞診 (b)組織診が行われます。ただ膣拡大鏡診は行われず代わりに(c)子宮鏡検査といって子宮の内腔を内視鏡で見る事も時にあるようになりました。
 これらの検査も正確度が高いと考えられています。

(2) これに対して卵巣癌の検診は今のところ子宮癌程正確性はありません。
 ただ卵巣癌はこの所増えている事、何か自覚的な症状が表れて来院された時には進行した癌である事が多いことなどから、子宮癌検診をうけられたついでに検診をうけておく事はそれなりに意味があると考えらます。

(3)これらの事から当院では婦人科の癌検診を積極的にうける事をおすすめしています。

ただ、がん検診はどこの部分の癌検診でもある程度信頼できても100%というものではありません。
たとえば子宮頸がん検診でも、異常なしと言われても僅かですが見落としがあるとされています。
この点には注意が必要と言えます。
このような状態になるのを防ぐには
 

(1)定期的な検診を受ける。
(2)何か心配な症状があったら(たとえば、不正出血・おりもの・腹痛など)、検査を
   受けているからと言って安心せず、婦人科の検診を積極的にうける事をおすすめ
   します。
(3)子宮頚がん検診については、HPV(ヒト・パピロース・ウイルス)の検査を受ける
   と、信頼度は飛躍的に高まります。

子宮頚癌

はじめに

女性の一生の間で最も多くかかるがんは、乳がんです。

でも35歳以下の女性が最も多くかかるがんは、子宮頸がんです。

子宮頸がんや前がん状態が最も多く見つかる率を年代別に見てみました。

その結果は以下の通りです。(当クリニック調べ)

・20-25歳⇒軽い前がん状態
・26-30歳⇒重い前がん状態
・31-35歳⇒子宮がん

この事から早い時期からのがん検診が大切なことが良く分かります。

では何故若い女性に子宮がんや前がん状態が多いのでしょう。
また何歳位まで、がん検診をうけた方が良いのでしょうか?

1.若い女性に多いのは、がんの原因と考えられるHPV(ヒト・パピロース・ウイルス)が年齢が若い程感染しているリスクが高いからです。

・14-24歳の年代のHPV感染が最も高いと考えられています。
・40-49歳では25%
・50-59歳でも20%
・それ以降の年齢でも5-10%のヒトが感染しているそうです。

このため若い人程HPV感染→前がん状態→子宮がんになる確率が高いと考えられています。

2.一方何歳になっても、HPVの感染の人が一定の割合でいる事が分かっています。
HPV感染のある女性は、ある日突然ウイルスが活動を始め、子宮がんは発症する可能性があります。
このため年齢に関係なく子宮がんの検診は必要といえるでしょう。
 

子宮頸がんの検診方法

子宮頸がんの検診方法は4つあります。

1.細胞診検査
2.膣拡大鏡検査(コルポスコープ検査)
3.組織検査
4.HPV検査

従来は1-3が通常行われていた検査です。
 

1.細胞診検査
まず、細胞診検査で異常が無いかチェックします。

これまではⅠ、Ⅱ、Ⅲ(Ⅲa、Ⅲb)、Ⅳ、Ⅴと数字で結果が出ていました。これをクラス分類と言います。

クラス分類    
異常ありません 全く異常な細胞が出ていません。1年後の検診で結構です。
基本的には異常がないのですが、炎症があったりホルモンのバランスがくずれて少し活動力のある細胞が出ることがあります。多くは念のため6ヵ月後の検診がすすめられます。
Ⅲa 気をつけて 現在がんを疑われる状態ではありませんが、やや活動力が出ており、少し異型性が出てきた細胞と考えられる状態です。医師の指示に従い定期的な検診をすすめられます。自然にⅡやⅠになる事もありますが、いつもⅢaであれば精密検査をすすめられる時があります。
Ⅲb がんではないものの将来がんになる可能性もある細胞と言えます。現在の所この状態の肩は約20%が将来初期の癌になる可能性があると考えられています。精密検査をすすめられるのが普通です。
がんの疑いがあるいはがんと考えられる 初期のがんが疑われます。
進行したがんが疑われる状態です。

※さらに細かくクラスⅡがⅡとⅡb(あるいはⅡR)に分けられる時があります。
 

2009年夏からベセスダ・システムと言って、新しい判断基準になりました。がん検診については、より現実にあった表現方法と考えられます。
これらは担当医から説明があるでしょう。
 

ベセスダシステムの考え方(分類方法)

結果 NILM ASC-US
(アスカス)
ASC-H(アスカス-ハイ) LSIL HSIL SCC
日本語の意味      陰性 意味不明な異型扁平上皮細胞 HSLIを除外できない異型扁平上皮細胞 軽度扁平上皮内病変 高度扁平上皮内病変 扁平上皮癌
推定される顕微鏡レベルの異常       腫瘍性の異常はない。炎症のある時がある 軽い扁平上皮病変の疑い 高度の扁平上皮病変の疑い HPV感染軽度異形成 中等度異形成~微少浸潤癌の疑い 扁平上皮癌
従来のクラス分類 Ⅰ、Ⅱ Ⅱ~Ⅲa Ⅲa~Ⅲb Ⅲa Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Ⅴ

 
2.膣拡大鏡検査 
細胞診で異常が出ると、膣拡大鏡検査を受けるのが普通です。子宮の出口のがんの出来やすい部を、より詳しく調べる検査です。

胃がん検診の際の胃カメラ検査に相当すると言うと分り易いでしょう。
専門医は、だいたいこの検査でどんな異常か分かると言われています。(癌が癌でないか。癌でないと、どの程度の異常なのかなど)
当院では細胞診、クラスⅢa異常の方は原則的にこの検査を受けることをおすすめしています。費用は保険が使えて約500円くらいです。

3.組織検査

膣拡大鏡検査で異常があると判断された時は、その異常の部分を一部切り取って検査をします。
これを組織検査と言います。
少し引っぱられる感じはありますが、殆ど痛くはありません。

この検査の結果が最終診断になります。
 

新しい検査方法:HPV検査について

最近新しいHPV(ヒト・パピロース・ウイルス)検査法がすすめられるようになりました。
この検査は保険が効きませんので、費用は各病院によって異なります。予め費用を問い合わせておくと良いでしょう。

HPVは膣内に約40種類のウイルスがいる事が分かっています。
その中で将来がんになる可能性のあるグループ(ハイリスク・グループ)と、がんにならないグループ(ローリスク・グループ)があると考えられています。

この将来がんにんなるようなウイルスがいないか調べるのがHPV検査です。

特にハイリスク・グループの中でも16型と18型に感染していると将来子宮頸がんになる可能性が高いと判断され、厳重な管理か、がんの出来易い部分だけを切り取る円錐切除をすすめられる時があります。
 

子宮頸がんのワクチンについて

さて最近の話題は、この16型と18型を予防するワクチンが出来た事です。

このワクチンのお陰で約60-70%の人が将来子宮がんにならないで済みそうです。

ワクチンはどんな人に注射すると良いのか?費用は?副作用は?どの位の期間効果があるのか?男性にも使えるのか?
などという事については詳しく、レディースケア・ネット(当院は監修するサポートクリニックの一つです)に記述がありますのでご参考にして下さい。
 

子宮体がん

はじめに
子宮体がんは子宮がん全体の40%を占めています。1970年代は子宮がん全体の10%でした。また欧米では子宮がん全体の50%か、それをこす状態になっているのではないかと考えられています。
さらに最近問題になているのは、若い女性にも子宮体がんが増えてきた事です。
これらの原因には、いろいろな事が考えらています。

①欧米型の食事が関係している。(乳がんや大腸がんが増えているのも、その為とも考えられています)
②環境ホルモンやダイオキシン等の社会的な環境が関係しているという説もあります。
③晩婚や、少子化が関係している等という考えもあります。

一方で子宮体がんに関する関心が高くなった事から、検診を受ける人が増えてきたという側面があります。
しかし、まずは検診をうけなければ意味がありません。
子宮体がんに関しても、積極的に検診をうける事をおすすめします。

子宮体がんの検診方法

子宮体がんの検診方法は幾つかあります。

1.超音波検査
2.細胞診検査
3.子宮内膜組織検査
4.子宮内視鏡検査(子宮鏡検査)

実際には2と3がメインの検査になります。

1.超音波検査
不正出血など、何らかの異常症状があって婦人科を受診する事が多いため、まず超音波検査をうける事が殆どです。

その際、子宮内膜(超音波で子宮の真ん中付近で白く見える所)が、異常に厚かったり、形がおかしかったりすると注意が必要な時があります。

しかし、子宮内膜は当然月経周期によって厚くなったり、薄くなったりします。
子宮内膜について、何らかの検査をした方が良いという目安にはなりますが、この状態だけで異常を推定する事は困難な事が多いようです。

2.細胞診検査

子宮の中に検査の器具を入れて、子宮の内面の細胞をとり顕微鏡で検査を行うものです。
子宮の中にブラシのついた検査器具などを入れ、表面の細胞の検査をします。
細胞診の結果は次のように出ます。
医学的には子宮体がんの検査結果は子宮頚がんと異なり、クラス分類では出ないのが普通ですが、説明するには便利ですので、この分類が使われる事が多いようです。

クラス分類

異常ありません全く異常な細胞が出ていません。
基本的には異常がないのですが、ホルモンバランスのくずれがあったり、避妊リングが入っていたりすると、時にやや活発な活動を示す細胞が出る時があります。将来癌細胞にかわる訳ではありませんが、念のため6ヶ月後の再検査をすすめられる事が多いようです。
Ⅲa気をつけて現在がんが疑われる細胞ではありませんが、良性細胞と言い切れないもの。ホルモンバランスのくずれがやや強く、放置しておくと不正出血の原因になり得るような細胞が出ているような状態を言います。定期的な検診や、この時点で子宮内膜の組織検査をすすめられる時があります。組織検査でいう子宮内膜増殖症が出るような状態が考えられます。
ⅢbⅢaに比べやや細胞の形に異型性が出るものを言います。がん細胞とは考えられませんが、子宮内の組織検査をうける事が望ましいと考えられます。また定期的なチェックが必要となります。組織的には子宮内膜異型増殖症が疑われるような細胞です。
がんの疑いあるいはがんと考えられる初期のがんが疑われます。
進行したがんが疑われる状態です。

3.子宮内膜組織検査

子宮の内側(内膣といいます)の組織を切り取ってくるものです。
切り取り方によっては痛みがあるため、麻酔をかけて検査をすすめられる時もあります。

これらについては担当医からお話があるのが普通です。

結果はだいたい、次の通り出てきます。

■異常なし

■子宮内膜増殖症
 

①単純型
 子宮内膜増殖症 / 異型子宮内膜増殖症
 

②複雑型
 子宮内膜増殖症 / 異型子宮内膜増殖症
 

※①と②は顕微鏡で見た子宮内膜症の型で診断されます。
※これにそれぞれ異常度が強いと、異型という名称がつきます。

※このうち、単純型の異型子宮内膜症は将来 約 10% 弱で子宮体がんになる可能性

複雑型の異型子宮内膜症は将来 約 30%の確立で子宮体がんになる可能性があるとされています。

■子宮体がん

4.子宮内視鏡検査(子宮鏡検査)

子宮の中、子宮体がんができやすいところを内視鏡で見る検査法です。
子宮内膜組織検査で同じ検査効果があるとも言われています。
 

子宮体がんになり易いタイプ

どうやら子宮体がんになり易いタイプをいう人がいる様です。

1.妊娠・分娩の経験がない人
2.授乳経験がない人
3.高血圧・糖尿病、肥満のある人
4.肥満のある人で閉経が早い人
 

子宮内膜増殖症や子宮体がんと言われたら

担当の先生と詳しくお話する事が大切です。

症状に応じて、経過をみるだけ、ホルモン療法を受けたほうが良い時、手術が必要な時さまざまです。

レディースケアネット(当院は監修しているサポートクリニックの1つです)婦人科の病気:子宮がんも参考にされると良いでしょう。

卵巣癌

はじめに
 最近の卵巣癌にはいくつかの注目すべき特徴があります。卵巣癌は以前は欧米に比べて日本人に少ない癌と言われてきました。 しかしこれが現在増えてきております。 もともと卵巣癌はSilent Tumor(沈黙する腫瘍)といって、ある程度大きくなる迄は自覚的症状がないものが多く、気がついた時は進行していたという事が多いものです。このため気がついた時は約60%の方が進行癌であると言われております。それだけにこの癌が増えてきているという事は注意が必要です。
 厚生省の統計をみると1968年の卵巣癌の死亡者数が1063人だったものが1995年には3892人と約4倍になっております。 当然癌に罹った方もこれに比例して増加している事が推測されます。
最近の推定では年間約8000人の人が卵巣がんになっており、約4500人の人が亡くなっているという事です。
 欧米では最近女性は一生涯のうち70人に1人の割合で卵巣癌にかかると言われております。日本でもこれから猶しばらくの間は卵巣癌が増えていくと考えられます。
 もう一つの特徴が良性腫瘍と考えられていた腫瘍でも将来の癌化が考えられるという事です。決して患者さんの数は多くありませんが気をつけなければいけない問題です。

 こうした事に対するわれわれの側の対応と言うと、これは検診をしっかりうける事と言えるでしょう。卵巣癌はその気になれば早期に発見する事も出来ます。そして早期に発見出来れば治る確率が高い病気です。きちんと診察をうける事が大切です。
 

卵巣がんの検診
1 超音波検査
2 主要マーカー
3 MRI、CT、PETなど映像による検査
 などがあります。

※卵巣がんの検診は、今のところ子宮がん検診ほど正確ではありません。

当院での卵巣癌検診は超音波検査で卵巣の大きさのチェックをしております。卵巣の直系が最大35mm以上(医師によっては30mm以上)の時は要注意とし、定期的な通 院をおすすめ致しております。猶卵巣が大きい時は、その内容もチェックの対象となります。

病院によっては腫瘍マーカーといって血液検査を行う所もあります。
最近米国のある施設で行われている検査(スクリーニング)について少し御紹介しましょう。

なお、卵巣癌検査については、その検査内容、費用とも各施設で様々です。予めお問い合わせしておくことも大切です。