Chapter 7 子宮頚がんと妊娠
- 子宮頚がんと妊娠
- Section1 妊娠する前に異常が見つかった場合
- Section2 妊娠中に異常が見つかった時
■はじめに
これはあくまでネット上の情報です。
子宮頸がんは全て同じ経過をとる訳ではありません。
また医療の進歩により治療法が急速に改善する事があります。
このため本情報をうのみにするのではなく、1人1人の症状について、専門医との話し合いが第一選択であると考えられます。
■異形成上皮
異形成上皮の段階では、まだ癌ではないため、何もする必要がないという考え方もあります。
但し高度異形成上皮の場合は、将来癌になる可能性がないとは言えないため、ループ法やレーザー法によって異常な部分を切除しておこうという考えもあります。
これらの手術は多くは日帰りか1~数日の入院で済むのが普通です。
■0期のがん(上皮内がん)
上皮内癌は転移がなく異常は子宮の出口の限られた場合にしか出来ません。
このため、この癌のある部分のみを切除するのが普通です。これを円錐切除といいます。
円錐切除の際、メスで切開する方法、レーザーを用いる方法、ループ法などがあります。
それぞれで若干の入院日数の差がある時があります。
■Ⅰ期のがん
① Ⅰa1期は転移の確率が少ないため円錐切除だけで良い事が殆どです。但し切除した後の部分を顕微鏡で詳しく調べてみてⅠa1期にとどまっている事を確認する事が大切です。
② Ⅰa2期は転移の確率が5%位の割合であります。まず円錐切除手術を行い切除した部分をよく調べて転移がなければそのまま外来で経過を観察しながら将来の妊娠に備える事が大切です。
③ Ⅰb期では通常は子宮を切除する手術をすすめられるのが普通です。
しかし赤ちゃんが欲しい方は大き目な円錐切除術を行い、癌がどの位の深さか広がりはどうか、リンパ管や血管の中に癌細胞が入り込んでいないかよく調べ、条件によっては子宮を残し、赤ちゃんを生む可能性を残す事もあります。
また、子宮頸がんの出来ている子宮頚部を広い範囲で切除する手術をすすめられる時があります。
この手術では、赤ちゃんが成長する子宮体部が残りますので、将来の妊娠が可能になります。
再発する事がある程度あります。
手術出来る病院が限られており、また実際に手術を受けた患者さんも多くはありません。
手術後妊娠するためには、体外授精を含めた特殊な治療が必要になる時があります。
またまだ実際に妊娠-分娩に至った人は多くはありません(2010年現在)。
この手術の時は医師との話し合いがとても大切になります。
妊娠率・再発率・手術の後遺症の可能性を含めて十分なインフォームド・コンセントを受けるべきでしょう。
■高度異形成上皮
高度異形成上皮そのものは、がんではありません。
しかしこの異常は0期のがんと区別がつきにくい時があります。
また高度異形成上皮のすぐ隣に0期のがんがある時があります。
このため高度異形成上皮と0期のがんを合わせてCIN-3という表現があります。
この異常の時は、お産まで慎重に外来で観察が必要とされるでしょう。
妊娠の時期等によっては、レーザーなどの蒸散手術や円錐切除手術をすすめられる時もあります。
■0期のがん(上皮内がん)
円錐切除手術やレーザー蒸散手術がすすめられる時があります。
0期のがんという事が確認されたら、手術をうけず、お産まで慎重に経過の観察をうける時もあります。
ただし、お産の方法、お産後の治療について、予め相談しなけらばならないでしょう。
どの治療法を選択するかは、医師との話し合いが最も大切な事項になります。
■Ⅰa1期のがん
円錐切除がすすめられる事があります(ただしそれ以外の治療法が提案される時もあります)。
手術をうけた時は、その後の慎重な検診が必要です。
■Ⅰa2期以上のがん
基本的には子宮の摘出がすすめられる時があるでしょう。
なおⅠb期までの場合、幾つかの手術の選択の可能性があります(一方、特殊な手術の場合、病院が限られる事があります)
これらは以下の事項を考慮に入れて、十分に担当医と話し合われる事が必要になるでしょう。
手術の時期・方法などについては医者との話し合いが重大なポイントになります。
子宮がんが発見された時、まだ赤ちゃんが体外の生活が不可能な時期の時があります。
この様な時は、女性の生命、赤ちゃんの生命や将来を考えて、十分な話し合いを決断が必要になります。